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クイズ・表記揺れ2


突然ですがクイズです。
このカード達は全て自身がタップインする効果を持っていますが、テキストの表記がすべて違っています。
正しい組み合わせはご存じでしょうか?



Kaijudo全カード翻訳リストを公開しました。
これは「もうひとつの海外版」であるKaijudoに存在する約1200枚の全カードの日本語翻訳版のリストです。

つまり1200枚の英語テキストを全部日本語に翻訳するという重労働をやったわけですが、なぜそんなことをしたのか、いくつか理由があります。

その中の一つに、「デュエマにおけるカードテキストの表記揺れは翻訳作業が原因の一つにあるのではないか」という仮説を補強するため、というものがありました。

今回はそんなテキストの表記揺れについての記事となります。クイズの正解も追記中にあります。

誤植のゲームに与える影響


デュエマには誤植が数多く存在します。
レインボーカードのタップインの記載が無かったり、余計な種族があったり、ドデビルがいたり、種族と名前の関係がおかしかったり、クリーチャーなのに呪文になっていたりと、とにかく多様にあります。
とはいえ、明らかなミスはエラッタにより正しいテキストに修正されるためゲームへの影響度合いはさほどありません。

表記揺れ


しかし、その中でもテキストの微妙な表記揺れは頻繁に発生し、件数が多いことからエラッタもされないケースもあります。
《マーシャル・クイーン》の注釈抜け等、ゲームに直接影響するような表記揺れもあります。

表記揺れの事例


因みに、冒頭のクイズの答えがこれです。
同じようなタップインのテキストでも、こんなに書き方が揺れています。
《D2B バブール》《ベイB ソーター》《ベイB ジャック》の3体は同じテーマで、特に《D2B バブール》《ベイB ソーター》なんかはエキスパンションまで同じなのに書き方が違うのには驚きですね。
裁定的には、《ベイB ジャック》のみ、《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》でタップインが無力化されるので、カードの性能まで違っています。

誤植や表記揺れでテキストが変わってしまうと、開発時の本来の想定されていたものと違った強さになるため、開発・調整といった工程が無駄になるばかりか、想定外に強い・弱いカードが発生します。
そうなると、ユーザーのゲーム体験を損ねたり、セットの売り上げにも悪影響(※エビデンス無し)が出かねません。
また、カードごとに裁定が異なる(≒コンマイ語)と、現場のジャッジへの負担が増すばかりか、トーナメントシーンの敷居を上げてしまうことにもなります。

そんな困った表記揺れですが、何が原因で発生して、どうすれば抑えられるのでしょうか?

誤植の発生ステップ

本邦初公開!?デュエル・マスターズ『カード開発会議に潜入!!』<前編>
本邦初公開!?デュエル・マスターズ『カード開発会議に潜入!!』<後編>
によると、デュエマのカードの開発は大きく分けると

原文テキスト策定(英語)

テキスト翻訳(日本語)

印刷用カードレイアウトへの落とし込み

の3ステップであるようです。

多色のタップインの記載漏れは原文の段階で起き、配置間違いはレイアウトの落とし込みで起きるなど、誤植の種類によって発生工程が異なるものと推定されます。

発生工程が異なる誤植がすべて実際にカードとして印刷されるということは、上流で起きる誤植が下流に引き継がれるということです。
つまり、どこか(大抵は最後)にある、不良をチェックする工程で誤植が見逃されているということが示唆されています。

そして品質的な影響度が大きい表記揺れは、原文のテキストを日本語に翻訳する段階で発生するものと思われます。

ここまで基本的にエビデンスのない話をしていましたが、ここで冒頭のKaijudoの1200枚翻訳が活きてきます。

給与の発生しない素人仕事なのでプロの仕事とは比べるべくもないという前提ですが、実際に翻訳の作業をしていると
・テキストの順番違い(「相手の進化ではないクリーチャー」と「進化ではない相手のクリーチャー」など)
・誤植(キーワード能力の入力忘れ、パワー間違いなど)
などのミスが無数に発生しました。
それは明らかに我々が日ごろ目にしているような表記揺れの再現であり、翻訳段階で発生する表記揺れという仮説を補強するものでした。

そして発生しなかった表記揺れがあります。
それは「頻繁に使用するキーワード能力」です。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
(※Kaijudo発売時のフォーマットに合わせて「2つ」ではなく「2枚」と表記)
■ガード(このクリーチャーは攻撃できない)
のような共通して使用されるキーワード能力は、ユーザー辞書に登録するので間違いようがありません。

表記揺れが起きたのは、先ほどの自己タップインのような、たまに登場するような、辞書に登録していないようなテキストでした。

つまり、翻訳段階で発生する表記揺れを抑えるのに必要なのは翻訳の(半)自動化であり、人が判断して訳す工程を減らすことだと考えます。
チェック工程を改善する方向も考えられますが、何百枚のカードをチェックする工数を考えると、流出防止よりも発生防止の方が取り組みやすいと考えます。

ここまで書いておいてアレですが、カードの開発はユーザーのニーズとコストとの綱引きなので、こういった現状はユーザーが誤植や表記揺れについてそこまで重視していないということです。
誤植の実害は先に書いた通りですが、それくらいは許容されているということです。

なのでこの記事は、1200枚の翻訳で得た知見の共有と、プレイヤーやジャッジがこういった誤植や表記揺れについて考えるきっかけになればいいなあという思いで書きました。
(ここでこんなの書いても改善するわけじゃないので、アンケートは書きましょうね)
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